記憶力を良くしたい!
言語学習に限らず、何か新しいことを学ぶときには自分の記憶力の良し悪しが目につきますよね。
記憶力が弱いと文法ルールも単語も、覚えては忘れるの繰り返しになり、やる気も自信も影響を受けます。
十人十色なので合う学習方法もそれぞれです。
ですので、記憶のメカニズムを理解することで、自分に合った学習方法も見えてくるかもしれません。
真ん中はすぐ忘れちゃう
人の記憶はおおまかに短期記憶と長期記憶に分かれています。
常に新しい情報と入れ替わってしまう短期記憶はその名の通り短期間しか頭に残らない記憶のことで、長期記憶に変化せず、忘れられていく記憶がこれです。
中学の中間テストで単語を一生懸命覚えても、テストが終われば頭に残っていない。
そして期末テストでまた覚えなおす羽目になる。
という経験をしたのは私だけではないと思います😞
これは短期記憶が長期記憶に移行する過程で、海馬にある状態です。
短期記憶の他の特徴としては、例えば、10桁の電話番号を覚えようとすると
最初と最後の番号は頭に残りやすく、真ん中の番号は残りにくいというものがあります。
最初の部分は集中力が比較的強く目に入る回数が他のものより多く、最後の部分は情報として頭に取り入れた新しい情報だからなどの要因からです。
説明や指示をする際には、簡潔で中弛みしないものが求められるのはこれが理由でもあります。
真ん中の情報は相当な印象がない限り、あまり人の記憶に残らない特徴があるからです。
すべての記憶を長期間覚えることはできないのか
聞いたこと見たことすべてを覚えられえる羨ましい記憶力を持つ人がたまにいますが、それはほんの一部で記憶に苦労する人が大半だと思います。
苦労せずに記憶できたらどんなに楽でしょう。
できるだけ記憶の特徴を利用して長期的に記憶できるように工夫するしかありません。
短期記憶と対照的に、長期記憶は半永久的に頭に留められている記憶です。
・自分についての記憶:自伝的記憶
(名前や家族、通った学校や身に起こった出来事など)
・体験したことや感じたことの記憶:エピソード記憶
(その中でも印象に残った出来事は上記の自伝的記憶として残る)
・生活の中で学んだ記憶:手続き記憶
(自転車の乗り方から箸の持ち方まで、生活に必要な記憶)
・意味がある記憶:意味記憶
(習得した知識や単語などの知的知識に関すること)
『意味がある記憶』の中には”Mental lexicon”という心的辞書と呼ばれるものがあり、ここから情報を取り出し私たちは言語活動を行っています。
ここで大事なのは言語活動に必要な記憶が長期記憶にあるということです。
これまでに言語を学んだとき、どの記憶に頼って学習していたでしょうか?
次回の記事では長期記憶に結び付く過程で頭の中で何が起こっているのかについて書きます。
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