言語学習も十人十色
言語能力はあらゆる要素が関係しているので、勉強ができる頭の良さとはまた違います。
特に聴解能力は幼児期に完成された聞き取る能力も関わってくるため、一筋縄ではいきません。
練習方法の利点と弱点を理解して行うことで聴解能力に成果がでますが、自分の判断で進めていくのは難しいです。
例えば、スキンケアをするにも自分の肌の状態を理解した上で、それに合ったスキンケアをしていくと思います。
本来肌が丈夫な人はどんなスキンケアでも相性がよいと思いますが、合わないスキンケアで成果がでるのに時間がかかったり、成果がでなかったりする肌質もあります。
肌にも専門家がいるように、言語にもまた教師とは違う専門家がいます。
今回の記事では私が出会った学習者と弱点別の聴解練習を紹介して、言語学習の際の参考になればと思います😊
母語にない音が多数あり聴解が苦手な学習者の場合
このタイプの学習者は、日本語話者が英語の音に慣れず聴解能力が上がらない例にもよくあります。
例えば、母語が持つ音が少ない学習者の場合、英語を聴き取る能力が他の母語話者に比べ極端に低く、ディクテーションをしてもあまり効果がでないということがありました。
・まず慣れない音を判別、慣れない音だけをひたすら聞き、よく聞き間違える音とも比べ、慣れたら単語、そして文章へと段階を踏む。
このタイプの学習者は『母語にない音』を『母語にある音』にどうにか当てはめ対応しているので、一つ一つの音の聞き分けから丁寧に始める必要がありました。
人は文字を読む際、黙読でも文字を頭の中で音に変換して処理しているそうです。
なので、音の識別ができない状態で黙読をさせると間違った音のままで処理されてしまい、それがその人の記憶になってしまいます。
例を出すと
『せんせい』という文字を母語のルールを当てはめ『せんしえ』と発音する学習者にとって
『せんしえ』が『せんせい』であって『せんせい』が『せんせい』と認識できなくなります。
(上手く伝わるといいのですが)
それを防ぐ意味でもディクテーションや他の聴解練習をするよりも、ない音に慣れてもらう必要があります。
・ない音に慣れたら、ディクテーションで音と文字が一致するかの確認に移る。
『母語にない音』も『母語にある音』と混同せずに聞き取ることができたら、単語の意味を処理する際もスムーズにいくからです。
そして、あえて意味を理解しようとせずに、ディクテーションすることで、音のみに集中できる効率的な練習方法でもあります。
本人の単語や文法能力次第で理解度は変わってきますが、音の識別ができるのとできないのとでは成果は雲泥の差でした。
自習用の音源を用意したりプロセスを確認したり、根気と時間がいる作業ですが、原因を見極め、それにあった対策をしなくては、逆に向上から遠ざかってしまいます。
学習者はそれぞれ違うので、みながみな同じように成果がでるとは限りませんが、原因を追究することはどの学習者にも効果的です。
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