心理を利用した外国語学習 内発的動機/外発的動機

Mind

意識が与える影響


日本で義務教育を受けた人なら英語を必須教科として学習していますよね。

日本にいるから英語は必要ない
将来海外に行きたい
パートナーと英語で話したい と英語に対する姿勢は様々です。

日本の英語教育は受験勉強の採点対象ということもあり、勉強すれば高得点が狙える仕組みになっています。

学習者に学習意欲がなければ教育は無意味
ここでは点数を取るための言語学習ではなく、実際に使える実用的な言語学習に焦点を置いています。

言語学習は環境や心理に左右されがちで、精神的要素と学習効率の関係性は積極的に研究されています。
その学習意欲に影響を与えるものとして学習動機があり、心理学では学習動機を内発的動機と外発的動機に区別しています。

内発的動機
学習で得るポジティブな感情が学習意欲にそのまま繋がり、自発的な学習へと結びつくこと。
例えば、『学習そのものが楽しい』など言語習得に対して精神的利益を見出し学習している場合も内発的動機です。

内発的動機の利点は学習者が意欲的そして自発的に学習するので、外発的動機よりも好ましい学習環境に身を置くことができると言われています。

外発的動機
外発的動機には段階があり、例えると、『義務教育だから英語を勉強する』という学習への自己決定が低い段階を外的調整段階

学習しないと『自分がクラスで恥をかく』『置いて行かれる』など、メンツを守るために学習意欲が出ている段階を取り入れ的調整段階

最後の同一視的調整段階では学習することで得られる利益に意欲が高まる段階。

ですので、仕事の武器にしたいと思う学習者は外発的要因のこの段階にいると言えます。

内発的動機の自発性と持続力の高さからも、外発的動機を持つ学習者が内発的動機を得ることが言語学習では最も効率的とされています。

学習にもフロー理論が利用できる
『好きなことをして時間があっという間に過ぎる』
『集中していてご飯もまだ食べていない!』
好きなことをしているときは時間があっという間に過ぎていきますよね。
心理学にフロー理論がありますが、これを言語学習にも利用することができます。

人がフロー状態になると集中力が高まり、学習に対する自律性が生まれ、短期的に内発的動機へと導くことができるとされています。

学習自体はまだ楽しいとは思えなくとも、学習と自分の好きなことを組み合わせることで疑似環境を作るという方法です。

一番始めやすい方法は
映画や本などを使って目標言語に慣れ親しんだり、
好きな曲の歌詞を自力で翻訳したりと、
学習しようと気を張らずに、楽しむ気持ちで取り組むことで学習への抵抗を脳レベルで減らします。

料理が好きなら学習言語でレシピを眺めてもいいですし、日本語からの翻訳に挑戦してもいいです。
釣りがすきなら魚の名前を学習言語で覚えてみてもいいです。
少しでも自分の好きなものを学習言語に取り入れてみることで、内発的動機へと近づく一歩になります。

最高の学習環境を手に入れるためには自分の意識から
言語教育研究は昔と比べ格段に発展し、より多くの学習者タイプに見合った学習環境を提供することが指導者にとっても効率が良く、学習者にとっても有益であるとしています。

言語学習はとても根気がいるものです。
自分の動機段階を理解して、内発的動機と外発的動機の特性を理解し、それを上手く利用することで、手間のかかる言語学習を意識的に変えることができると思います。

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