文化によって違うポライトネス

Culture

日本語学習者が苦労する敬語文化

日本語学習者が弱音を吐いてしまう1つに敬語があります。

謙譲語や尊敬語、丁寧語。

英語や他の言語にも丁寧な言い方ができる言葉遣いはありますが、社会的関係によって言葉遣いまるごと変えなくてはいけない日本語は彼らにとってとても難しいのです。

日本では敬語を話せることがマナーであったり、尊敬を表したいとき使う傾向がありますよね。
その敬語文化に関係がある、ポライトネス理論についてまとめようと思います。

Brown とLevinsonのポライトネス理論
ポライトネス理論では、
相手と良好な関係を築きたい欲求相手とは適度な距離を保ち自分の自由を確保したい欲求の2つがあるとしています。

このポライトネスは自分と相手が持つそれぞれの欲求(フェイス)を配慮して相手と円滑な関係を築くためにする言語活動のことを言います。

ポジティブフェイス
他人から良く思われたい、好かれたい、承認されたいなどの欲求

ネガティブフェイス
自由でいたい、良好な距離を保ちたい、自分の領域には立ち入られたくない欲求

ポジティブポライトネスはポジティブフェイスを意識した言動。
例えば、仲間内で冗談を言う、好かれる目的で相手を褒める、関心を示したり同意したりがあります。

ネガティブポライトネスはネガティブフェイスを意識した言動。
例えば、敬語を使ったりマナーを重んじる行為もこれ、
他には依頼をするときに『すみませんが…』で始めて相手のスケジュールを考慮した話し方もネガティブポライトネスの例です。

敬語を使うことがマナーでもあることがありますが、ある程度親しい関係と思っている人が敬語を使うとよそよそしい印象を与えることがあるかと思います。

東はネガティブポライトネス、西はポジティブポライトネス
この東と西というのはとても大まかな分け方です。
ネガティブポライトネスが好まれる文化圏は社会階級が顕著な東洋に位置する国が多いためよくこの言い方をします。

同じ西でも違うフェイスが尊重されているので、これについてはまた別に書こうと思います。
(イギリスとアメリカの国民性が違う印象なのが想像しやすいかもしれません)

相手との距離を縮めるのが良いとされる文化がある一方で、日本では一定を保ち相手に対して尊敬を表すコミュニケーションが好まれる文化もあります。

なので、日本語学習者が日本人はよそよそしいと感じたり、逆に日本人が海外の人の距離感が近いと感じたりすることは好まれるポライトネスの違いが理由でもあります。
(物理的距離感ではなく)

文化によって違うポライトネスについては言語指導者も学習者も異文化の相手とコミュニケーションを取る際に知っていると便利な知識だと思います😊

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