使い分けられる教育方法
言語教育は必要性の高さから、積極的に研究されている分野なので、目的や特徴に合わせて様々な教育方法があります。
オーストラリアの特に高校の選択教科、受験科目で日本語教育には、ディベートやスピーチなど日本語を使い能力を促進させるカリキュラムが組まれています🦘
これは言語学者のLongが提唱したフォーカス・オン・フォームがベースの教育方法です。
指導のタイミングなどで細かくなりますが、言語の指導方法としては大きく三種類に分けられています。
フォーカス・オン・フォームズ(FonFS)
FonFSでは文法が使われる背景よりも意味に焦点が当てられています。文法理解が重要なので、ドリルでの反復練習や翻訳することを中心に練習が行われます。
日本の義務教育での英語指導は正確な文法知識を指導することに長けています。日本の翻訳・通訳の方たちは難しい文でも正確に訳せると高い評価を得ているそうです。
フォーカス・オン・ミーニング(FonM)
FonMはFonFSとは対照的に文法理解に焦点を当てず、コミュニケーション能力を向上することに焦点を当てています。代表的な教育方法にイマージョン教育があります。
文法理解に焦点を当てていないので、文法の正確さに欠けてしまいます。
しかし、FonFSではコミュニケーション能力が培われずに受動的な言語能力になってしまう。
そこで出てきたのががフォーカスオンフォームです。
フォーカス・オン・フォーム(FonF)
FonFは学習者が言語活動の中で文法理解を伸ばすというFonFSとFonMを掛け合わた教育方法です。
この教育方法に文法の反復練習は扱われず、学習者が作文などの言語活動から知識不足に『気づく』ことで学習していきます。
フィードバックを与えてサポートすることが指導者の役割ですが、フィードバックの中でもリキャストが好まれます。
リキャストは学習者が間違えた部位のみに修正を加えフィードバックする方法で、文法説明などはしないのが特徴です。
例えば、
学習者:レストランを食べます。
指導者:レストランで食べます。
と、間違っている箇所のみ修正します。
FonFはバランスの取れた教育方法にみえますが、細かい文法解説は含まれません。
文法理解が定着していない学習者は不安になり、逆に心理的な負担になることもあります。
様々な要因が関係してどの教育方法も効力を発揮する
オーストラリアの高校では、日本語は選択科目なので比較的少人数クラスです。
ですので、指導者はFonF下でも細やかな対応ができます。(特殊な学校は別ですが)
FonF下の教育では、学習者自らが気づく機会が重要なため、指導や課題などもそれを考慮し、添削なども時間がかかります。
日本の英語教育は、全国の学生が取る受験科目でもあるため、文法理解の正確さを図ることで採点も主観的にならず公平性に重きをおいています。
会話などコミュニケーション能力を試験の対象にすると、採点が試験官の主観になる心配もあります。
教育方法の利点・弱点、学習者の目的やレベル、環境など多くが関わるため、最適な言語教育は学習者個人により違い思っているより繊細です。
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